カラー暗室日記

暗室は、清く正しく美しく

美しいプリント

美しいプリントってなんだろう。むかしサリー・マンのプリントを観たときに、ひれ伏すような、跪きたくなるような気持ちになりました。その時にはじめてモノクロ印画紙というのを知ったような気持ちになりました。よく美しいプリントを見ないとダメというけれど、そういうものを見ることで、自分のモノサシができていくんだと思います。クラシックなものを見るということも、一定の時代や社会から評価を与えられたものを見て、自分のモノサシを伸ばしたり、曲げたり、あるいは曲がりにくくしたりすることなのかなと思います。

最近、自分のなかの美しいプリントが不明瞭になっています。いいえ、もともと考えもせず、不明瞭のまま放っておいた部分がようやく意識できはじめられたということなのかもしれません。

  • ハイライト側のゆるやかなトーンの変化
  • 切り分けられない色の伸びやかなトーンの変化
  • 黒の深み

この3つを意識しながら、撮影意図に沿ったプリント表現を目標にしていこうと思います。今はまだ自分のプリントが、繊細さのない単純なプリントに見えます。自分のプリントを見て、跪きたくなるような気持ちにいつかなれたらいいなー。