ローライデジベースc41の各薬品を140mlずつ作り、作りたてのpHを測りました。
- 発色現像液 pH10.3(49℃ )
*スターター投入前(H2O+A+B+C)pH10.4
- 漂白液 pH4.3(40℃ )
- 定着液 pH7.1 (40℃ )
▲上記薬品を使って、JOBO CPE-2にて処理(カメラ=写ルンです)。
まだプリントしていませんが、問題なさそうです。
こちらのブログでは、同キットの各液の溶解後のpH値は、
- 発色現像液 pH10.4 (38℃)
- 漂白液 pH4.1 (38℃)
- 定着液 pH6.6 (38℃)
とのこと。なお、pH計の誤差が±0.2程度あると記載されています。
定着液の誤差が大きいのが気になりますが、発色現像液、漂白液については概ねこの辺りと思われます。
ちなみに以前、手元にあったローライデジベースc41キットにて、スヌケ近いネガの仕上がりになる問題がありました(フィルムのエッジのコマ番号なども像がでていない状態)。
▲上・現像不良のフィルム。 下・正常な現像処理の仕上がり。
その時の各薬品のpHは、
- 発色現像液 pH7.1
- A液 pH10.6
- B液 pH2.9
- C液 pH2.2
*スターター投入前(H2O+A+B+C)は、pH7.0
- 漂白液 pH4.2
- 定着液 pH7.2
でした。
現像主薬CD-4の性質上、発色現像液はpH10.0以上が望ましいと聞いていたので、現像液が怪しいなぁと思っていましたが、漂白、定着は今回の液とほぼ変わらないのを見ると、やはり発色現像液に不良があったのではないかと思います。
不良の原因として考えられる可能性は大きく分けて、3つ。
1の場合、ただひとつのキットだけに問題が起こるということはなくバッチ全体に及ぶのが通常とのこと(不良の薬品が混入した場合は、そのバッチ全体に影響を及ぼすため、キット単位での不良というのはあり得ないらしい)です。その報告はクレームレポートのセクションなど製造元にあがり、共有されるようです。
2の可能性は、空港などで直射日光に当たるようなところに長く留め置かれていた可能性などを含め、全て推測の域をでないものです。
というわけで3の起こる可能性がもっとも高く感じますし、なおかつ「100%問題ない現像作業を行った」という証明はできるものではありませんので、原因は3じゃないのと言われてしまうと、いくら自信があってもなかなか反論しづらいものです。
同様の問題に頭抱えてる人はいないか検索してみたところ、割と最近の間にいくつか事例がありましたのでメモしておきます。
photo.net - c41 underdevelopment issue with Rollei digibase, Feb 12, 2015
flickr - Firstcall C41 prediluted kit - what am I doing wrong!?, 5 February 2015
APUG - First try at c-41 came out blank, 11-17-2014
なにはともあれ、新しいパッケージで問題解決。がんばるぞー!
【追記】
ローライデジベースC41キットのデータシートを見つけました。これによると、
- C41 digibase film developer STARTER
pH-value at 20°C: 9,28
- C41 digibase film developer PART A
pH-value at 20°C: 11,91
- C41 digibase film developer PART B
pH-value at 20°C: 3,8
- C41 digibase film developer PART C
pH-value at 20°C: 2,82
- C41 digibase film Bleacher
pH-value at 20°C: 4,3
- C41 digibase FIXER
pH-value at 20°C: 6,65
- C41 digibase Stabilizer
pH-value at 20°C: 9,15
とのこと。溶解後の発色現像液のpHを知りたいなぁ。。。